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利用者のコラム

男性 / 60代 / 飲食店業務 / アルコール依存症


私はアルコール依存症です。二次障がいでうつ病と強迫性障がいにも罹患しました。
もともとお酒は好きでしたので若い頃からよく飲んでおり、私の日常生活にお酒はあって当たり前の存在でした。
そんな私がアルコール依存症だとはっきりわかったのは約10年以上前の事です。

アルコール依存症とは
そこから抜け出す方法

アルコール依存症とは脳が飲酒をコントロールできなくなってしまう病気です。 一口でも飲んでしまうと際限なく飲んでしまうのです。これは自分の意思ではコントロールできません。
アルコールは覚せい剤、違法薬物なども含む依存物質の中で2番目に危険度が高いと言われています。
病気の回復はしますが、完治はしません。
また、アルコール依存症の人の平均年齢はおよそ52歳と言われています。

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アルコール依存症だとわかってすぐ北摂の病院に入院し治療のためのプログラムを受けました。
治療を始めた当時はいかにしてサボってやろうかなどと考える事もありましたが、その約2年後から完全にお酒を断つ生活が始まりました。 以来、現在に至るまで1滴も口にしていません。 病院では今もひと月に一度健康診断を受けています。薬ももう必要ないくらいまで回復しました。

病院の他に、アルコール依存症の自助グループである断酒会にも在籍しています。
今も週2回参加しています。地域男子会の世話役にも抜擢されました。
自助グループではこれまでの体験を話したり、聞いたりすることで過去を反省し将来を見出すことができます。 依存症の人達にとってはそれもまた良い薬になるのです。
あの人が頑張っているから自分も頑張ろうという気になる、そうやってお互いが助けたり助けられたりしているのです。

こうした周りのサポートが運良く得られた事も、私が60歳を過ぎても生きていられる一因です。

アルコール依存症を経験して

断酒

お酒を飲まない生活に慣れてからは身体が良く動くようになりました。勤務中も集中できています。 逆に張り切り過ぎて疲れないように気をつけています。
飲食店で働いているためお酒を目にする機会はありますし、商店街の居酒屋やパブなどで若い人が仕事帰りに仲間と飲んでいる光景を見ると、 今でも羨ましいと思うことはあります。
しかし欲求に負けてアルコールを口にしてしまうことはありません。飲めばその後どんな辛い目に合うか経験上予想できるからです。
車の往来の激しい道路を赤信号の時に渡ったらどうなるか大抵の人は予想できますよね。
私にとってお酒を飲むことは赤信号の道路を渡ることと一緒なのです。

依存症は家族、友人、健康など色々なものを失ってしまいます。そして一度失ったものを取り戻すことはとても大変なことです。 しかし、たとえ困難であっても私は取り戻す努力をしたいと考えています。

失ってしまった人々から少しでも変わったなと言われる人間になりたいと思っています。

健康で健全な生き方、それが今の私にとって一番の目標です。

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